第二章其の壱
神秘的な日常の始まりです。

この日から僕は、一人になる事が全く無くなりました。
何しろ僕の「中」にもう一人いるんですから。
最初は変な気分でしたが、徐々に慣れていきました。

困ったのはトイレと、SEXでした(笑)
生理現象だから仕方ないよと懇々と説明して、ケンカもしました(笑)
トイレはすぐに納得してくれて、見ないようにする事で収まったのですが、
もう1つは…_l ̄l○
10歳の子供に一生懸命説明していた僕はけっして変態さんではありません!

最終的には納得してくれましたが、方法については触れません(笑)

それと、僕はこの日からいわゆる「二重人格」でした。
それは客観的にみて。と言う事で、僕と美惠子が入れ替わるのです。

彼女に電話したときみたいに、完全に美惠子に体を使わせることが出来たので、
今思えば面白かったです。周りの反応とか。


いろんな人に会って、いろんな人と美惠子は話をしたり、経験しました。
自動販売機にビックリしたり、
昭和天皇陛下御逝去に涙したり、
車を珍しがりつつ怖がったり、、、

美惠子が一人だったときは、外界の変化は
断片的にしかわからなかったそうですから、
まさにタイムスリップしたような状態です。

美惠子に出会った人々にもさまざまな人がいました。
全く信じないで、僕をキチガイ扱いした人。
信じるも、怖がって美惠子に会おうとしない人。
美惠子と本当に仲良くなってくれる人。
2ちゃんねるのとあるスレで電話した高校生の方は、
感動して涙を流していました。

とにかく、書き切れないほどの感動、発見があって、
僕はとても貴重な体験をしているんだと毎日感じ、感謝していました。

そんな折、僕と彼女の関係は破綻していました。
僕はその当時、彼女をなんと捕らえていたのだろう…
都合のいい女くらいにしか思っていなかったのだと思います。
でも後悔していました。

僕は彼女にほかの男をあてがって、突き放したのです。
彼女がその事実に納得して、新しい男と新しい恋をしようとしている時、
僕は急に彼女が恋しくなったのです。

今思えば、単なる嫉妬心だっただけなんでしょう。
彼女の新しい恋を妨害し、二股をかけさせたのです。
正に最低の男でした。

でもその最低な行為に僕は必死で、自分が今何をしているのか、
全く気付かないでいたのです。

このブログを正直に包み隠さず書いていくために、
ここで、彼女に未だ言えていない言葉をいいたいと思います。




本当に、ごめんなさい。





…少し脱線しましたので話を戻します。

彼女とヨリを戻すため、僕は旅行を計画しました。
一泊二日の熱海旅行です。
新婚旅行のメッカといわれるこの地を選んだのにも
僕の浅はかな思いがありました。

二股がばれないように、周りに巧妙な嘘をつき、
二人きりの旅行は決行されました。もちろん美惠子は一緒ですが。

旅行はとても楽しかったです。
元から貧乏人で、リゾートホテルに泊まったのは初めてでした。
とても贅沢な(僕にとっては)二日間を過ごし、
美惠子もとても喜んでいました。

この旅行が終わった後、僕には絶望的な出来事が待ち受けていました。

続きはまた次回…
目次
第一章其の壱

第一章其の弐

第一章其の参

第一章其の四

第二章其の壱

第二章其の弐

第三章其の壱

第三章其の弐

第四章其の壱

最終章